2013年10月3日木曜日

非武装地帯

明日からのミズガキ撮影に備えて1日早く入山。
実はシーズン最後の虫がいまはたけなわ!
それはコブヤハズカミキリの仲間たちなんですが、彼らはなんと羽根がないので飛ばない。
ひたすら歩いて移動という地味ーな一族です。
が、その無骨なフォルムや親戚達の勢力分布範囲が興味深いカミキリなので人気は高い。
まあ、他になにも採れない時期でもあるんですがね(笑)
で、
実はミズガキのすぐ近くの横尾山というこれまた地味な山の周辺が、二種類のコブヤハズの勢力境界線があるんですわ。
いままでの先人の日本全国の勢力図調査では、二種類の境界線には数100メートルのどちらも遠慮?している通称「非武装地帯」と呼ばれる空白地帯があるそうです。
いわば「謙譲の美徳」は日本人のみならず、日本のコブヤハズも持っているみたいです(笑)
でもまあ、なかにはアウトローな、昭和の若者のように、慣習を打ち破ってどんどん外へ出ていく奴らがいるのもコブヤハズも同じみたい。
二種類の混血種類ともいうべき通称「ハイブリット」かマニアには人気です。数も少ないしピンポイントなところにしかいないので当然と言えば当然ですかね。
専門用語でいうところの「交雑個体」を求めて登山開始!
こんな平日でもほかの登山者が四人もいることにびっくり。
頂上からGoogleマップの衛星写真で広葉樹っぽいエリアに向かって藪こぎ。
しかし、便利な世の中になったものだ。
奴らがいるのは枯れ葉。とにかくなんでもかんでも枯れ葉を叩く叩く叩く!
しかーし、落ちてくるのはハサミ虫とカメムシ、そしてハネカクシ類ばかり。
二時間、ヌル。
三時間、ヌル。
四時間、腹へってシャリバテのため休憩。
スマホは谷を降りたので圏外のため、良さげなエリアはどこにあるかわからない。
こういうときは人間力、というか狩猟本能を発動!
正直なところハイブリットどころか、なにひとつコブヤハズが採れないのは疲労も倍増してしまう。

休みながら周辺をじろじろ見ていると、なんとすぐ背後にマルバダケブキの枯れ葉がたくさんあるじゃないか!
コブヤハズは乾燥に弱く、谷沿いを探すのがセオリーなんだが、背後は尾根沿いの明るく乾燥したカラマツの人工林。
さっそく枯れ葉をめくると、いきなりいたー!
そして次から次へとこれまでの苦労が嘘のように落ちてくる。
割と狭い範囲ながらも1ダースほどゲット!
ほとんどがフジコブだけど、ふたつばかり写真の左のようなグレーっぽい怪しい個体が入っていた。

さらに左右の谷を越えて探索するももうまったく採れず。
うーん、難しい。
でもまあそこそこ採れたので満足。
秋山も堪能できました。
日本はいいなあ〜

0 件のコメント:

コメントを投稿