2012年11月16日金曜日

Nanashinoで考えた

久しぶりの休息。
とはいえ、前の現場から次の現場の合間は事務仕事に追われてノー味噌は普段以上に忙しい。
思ったより疲労困憊していて地元のジムに登りに行く活力が涌いてこないので、あっさりと自分に降参(笑) 弱い自分に支配されることも、オトナの選択か?

ところで振り返って郡山で考えたこと、思ったことをまとめてみました。
この場ではあまり相応しくない内容かもしれないけど、あえて避けるのもおかしいので、ありのままに。

実は今回のオーナーさんは昨年の地震で爆発した原発で避難させられたひとりでした。
全てのひとが自分の生活をうばわれて、仕事も、家も、地域の全てを捨て去られてきた、受動態な生き方を強制されている福島県浜通り地方の人達のひとりです。
初めてお会いしてからおととい別れるまで、ただの一度も過去を振り返らずに、これからのことを話し続ける明るい振る舞いに、心を打たれました。
だから、ジムを作りたいという話には、全面的に協力する気持ちが、いつもより強かったのも確か。
昨年は多くの知り合いが復興ボランティアに参加した話を耳にしました。しかしながら自分はというと毎日の生活にカツカツで、悪気はないのですが、困っている人達のところまでいって無償の奉仕をするまでの度胸や思いやりを持ち合わせていませんでした。
だからなにが悪いという訳ではありませんが、やはり心の片隅に、参加しなかった罪悪感が残ってたのは確かです。

今回のジム工事で、それが晴れたかというと、むしろ逆。
現実の、重い現実を見るにつけて、自分一人ではなく、いま生きている日本人全員が一生かけても元に戻らないという事実を、死ぬまで思い知らされて生きていかなければならないことを覚悟しなければならないということ。
それが分かっただけでも、行って良かったと思う。


作業中にはいつも行った先々のFM 放送を聴くのだけれども、今回は毎時間ごとに放射線の測定値が放送されている。1日に一回ではなく毎時間。
雨の日は特に数値が高くなったり、風向きで第一から吹くような日はやはり高くなったりするなど、とても冗談ではない現実が身の回りにある。
数値も関東横浜のそれとは一桁高いし、すぐ近所で除染が行われている。
オーナーさんの自宅には許可をもらえば帰れるらしいが、途中の道端は計測機械がヤバイぐらい鳴りっぱなしだという。
たぶん、いや間違いなく、もうそこには自分等が生きている間は絶対に立ち入れないという。

電力会社や政治家は、必ずもうかるからこの先もなんだかんだと屁理屈こねて原子力に頼っていくでしょう。
日本に限らず隣の国で爆発すれば風下の我々は全員で頭から浴びることになるでしょう。
反対ハンタイと叫んでも、ほとんど無駄なこと。
世界滅亡まであとどれぐらいかわからないけど、それまではせいぜい好きなことを思いきりやって生きていたい。

明日は我が身、ということわざがありますが、今回は本当に骨身に染み入って、実感いたしました。

人類は良くも悪くも「みち」を真っ直ぐに歩いている気がした。

放射能に強い虫とか動物がひとつでも多くいてほしいな(笑)


それでもがんばっていかなきゃな!俺達。


ナナシノさんは来週23日オープンです。こじんまりした良いジムです!
ご近所、近くを通った方々、登りに行きましょう。

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