2012年11月5日月曜日

トンデ

最近はどうやらハリボテブームらしい。
昔から作って使っている側としてはなんともイマサラ感が拭えないけど、どうやら最近ジム始まりのジムダラーには新鮮らしい。
自分は当然岩登りしかない頃から始めているので、つい最近まで認識していなかったある重要なことに気がついた!
それはなにかといえば、クライミングって全てが三次元のムーブで成り立っているいるということ。
こんなこと当たり前田のクラッカーだったので考えたこともなかったんですよ。
だって、岩にしろ石ころにしろ、ペラっとした一枚岩っていうほうが珍しくてまずわざわざそのために出掛けていくようなレアな形状なんですわ。
だからクライミングってものは複雑な出入りに対応する膝や腰のいれ方ひとつでバランスとれたりチョークアップすらできるものだと思い込んでいたのですなあ。
セッター時代も、味気ない3尺と9尺の倍数で成り立っているペラ壁をいかにしてクライミングの動きをさせるか考えた末にコーナーやカンテ、ハリボテ取っつけてなんとか変化出してきたわけであります。

ところが時は経ち、ジムで始める率恐らく99パーセントの現在では、おそらくこれは想像上ではありますが、彼らのクライミングっつーものは2次元なものがフツーなんじゃないかと。
つまりツライチこそがクライミングで、必ず出っ張っているホールドをいかに握り倒して、そしていかにどれだけ「撃つ!」ことが重要なことになっているのだろうなあ、とかなりの確信を持って感じている。

最近の若者のボルダー能力は違和感もあるし多分自分の現世では獲得できない能力だと思う。
だってスタートラインがまったく違うんだから。

昔人間としては、クライミングって、岩に向かって撃つ!んじゃなくて、登らせて頂きます、すみません。
えっ、これではだめですか?
ではこういうふうではいかがでしょうか?
あっ、このほうがあなたのおのぞみでしょうか?
ではではこんなふうにやさしく外側からそおっと足でも置いてみますか。
おやおやいい案配なようですっと安定しましたね。手頃な出っ張りがありましたね、下から寄りかかるように腰を押し付けてみましょうか?
あれまあ!なんとしっくりと身体が壁の中にとどまっていられることでしょう。
とかとか(笑)

岩登りって楽しいな!

自分の頭で一生懸命考えて、自分の身体に一番具合の良い登り方で、登れたときの楽しさ。
そんなふうにひとりひとりが自分と向き合えるような壁、ルート、課題、これからも作っていきたいな。

そんなわけで、本日はタイトルどおり西に向かってトンデるのであった(笑)
なげーよ!

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