街に暮らしていると特に不便はなく、お金さえあればなんとでもなる、という錯覚に陥る。
昔はとにかく登ることしか頭になくて、缶コーヒーさえ我慢しなければならない懐でもたいした不満はなかった。
いつの頃か、だんだん身体が思うように動かなくなってきてからは、自由経済社会のなかで生き延びるための知恵を身につけるほか無かった。
クライミングがいま日本の巷では人気がどんどん上がってきて、おかげでクライミングヨロズ業種で細々と食いつないできた自分とか知り合い関係者は、本当に助かっているんじゃないでしょうか?
昔だったらルンペンになるしかないような生活感だったけど、時代に助けられているよなあ、と最近はしみじみ思う。
いまじゃあ夏はムシトリという生涯趣味に出会えて本当に幸せ。
これは多分一生続けられる奥深さと広がりのある世界。
いや一生かけても無理なものは無理だけど。
毎日登れる身体があれば別だけど、磨り減った関節はこれから適度なレストをだんだん多く入れながらの引き延ばし作戦でのんびり登るのが妥当でしょうかねえ。
連続した時間のなかでゆっくりと変化、進化していくのが生物の基本なら、自分もそのなかでいままでには見えていなかった視点を出来るだけ多く発見出来るような、残りの時間を過ごせたらいいなあ。
今回は、ベテランの虫屋さんとたくさん貴重なお話を聞けたこと、奇跡の桑畑に改めて日本の農業とか産業とか人間の営みに思いを馳せたこと、すべてが自分の血となり肉となったことに感謝感謝であります。
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